エメラルドとダイヤモンドの指輪|Pt900・手鍛造による制作事例

制作のテーマ
あるべき場所に、あるべきものを。細部まで研ぎ澄まされた美しさを追求する。
一粒のエメラルドを主役に、地金の塊から手鍛造によって一本のリングを制作しました。
今回の制作で大切にしたのは、装飾を加えることではなく、石と地金、それぞれがあるべき場所に、あるべき形で存在すること。
石を支える爪の形状、リングを構成する曲線、細部の仕上げに至るまで、一つひとつの必然性を考えながら形を整えました。
華やかさを飾り立てるのではなく、素材と造形そのものが持つ美しさを、静かに引き出すことを目指しました。
Before / After
Before

After

| Front(正面) | Perspective(立体) |
| 一粒のエメラルドを中心に据え、石の美しさを引き立てるシンプルで均整の取れた構成。 | 石座から腕へとつながる滑らかな曲線と、細部まで整えられた造形によって、どの角度から見ても自然で美しい立体感を追求しました。 |
💡 こだわりのデザインポイント
- エメラルドの美しさを中心に据えた構成
- 一粒のエメラルドを主役に、宝石そのものの色彩と輝きを引き立てるデザインとしました。
- 装飾を増やすのではなく、石と地金の調和を大切にし、リング全体が一つの美しい造形として成立することを目指しました。
- あるべき場所に、あるべきものを
- 石を支える爪、石座、リングの腕。それぞれの部位には、美しさだけでなく構造上の役割があります。
- 必要な強度や装着性を確保しながら、形状や配置、曲線のつながりを一つひとつ検討し、無理や無駄のない造形を追求しました。
- 手鍛造によって生み出す精緻な造形
- 地金の塊を叩き、延ばし、削り、磨く。新光舎が受け継いできた手鍛造の技術を用いて、リングを形づくりました。
- 爪の厚みや石座の形状、腕の曲線など、わずかな違いが全体の印象を左右する部分まで丁寧に仕立てています。
- 細部の完成度が、全体の美しさを決める
- 一見するとシンプルなデザインだからこそ、各部の寸法や左右の均整、面のつながり、仕上げの精度が重要になります。
- 目立つ装飾によって美しさを加えるのではなく、一つひとつの部分を研ぎ澄ますことで、自然な存在感を持つリングを目指しました。
🛠 制作ディテール
- 制作時間: 約95時間
- 素材: Pt900
- メインストーン: エメラルド 0.80ct
- ダイヤモンド: 計0.56ct
- 製法: 手鍛造・手作業による制作
- 販売価格: ¥1,850,000(税込)
- ※一点物の作品です。使用する宝石・地金・デザイン・制作内容により価格は異なります。
この作品について
このリングは、「あるべき場所に、あるべきものを、きめ細やかに作る」という考え方から生まれました。
一粒のエメラルドを中心に、プラチナとダイヤモンドを組み合わせたリングです。
目指したのは、装飾によって華やかさを加えることではなく、宝石と地金、それぞれが持つ美しさを最大限に引き出すことでした。
ジュエリーの美しさは、宝石の品質やデザインだけで決まるものではありません。
石を支える爪の形状、石座の高さ、リングの曲線、地金の厚み、そして細部の仕上げ。それぞれの要素が適切な位置に、適切な形で存在することで、作品全体に自然な調和が生まれます。
今回の制作では、Pt900(プラチナ900)を使用し、地金の塊から手鍛造によってリングを形づくりました。
中央には0.80ctのエメラルド、周囲には合計0.56ctのダイヤモンドを配しています。
鍛造によって地金を加工し、各部の形状を整え、宝石を留め、磨き上げる。その一つひとつの工程で、構造としての合理性と、造形としての美しさの両立を追求しました。
完成までに要した時間は、約95時間。
特別な装飾や奇抜な造形に頼らず、細部をどこまで丁寧に整えられるか。
その積み重ねが、作品全体の存在感を決めると考えています。
美しさとは、何かを加えることだけで生まれるものではありません。
あるべきものが、あるべき場所に、あるべき姿で存在すること。
このリングもまた、私たちが『美しさとは何か』を問い続ける中で生まれた、一つの作品です。
制作者より
今回のエメラルドリングの制作で大切にしたのは、「あるべき場所に、あるべきものを、きめ細やかに作る」ということでした。
ジュエリーを美しくするために、必ずしも特別な装飾や複雑な造形が必要なわけではありません。
宝石の位置、爪の形、石座の高さ、リングの曲線、地金の厚み。それぞれが本来の役割を果たしながら、全体として自然な調和を生み出していること。
私は、そうした一つひとつの積み重ねの中に、美しさが宿ると考えています。
今回のリングは、プラチナの地金から手鍛造によって制作しました。
鍛造によって地金を鍛え、形を整え、宝石を留め、磨き上げる。その過程では、わずかな寸法の違いや曲線のつながりが、作品全体の印象を大きく左右します。
だからこそ、一つひとつの工程で、自分が美しいと感じられるところまで丁寧に仕立てていきました。
完成までに要した時間は、約95時間。
しかし、時間をかけること自体に価値があるとは考えていません。
大切なのは、時間をかけた結果として、どのような美しさを生み出すことができたのかということです。
あるべき場所に、あるべきものがある。
言葉にすれば当たり前のことかもしれません。
けれど、その当たり前を細部まで徹底することは、決して簡単ではありません。
このリングもまた、私自身が「美しさとは何か」を問い続ける中で生まれた作品です。
